「運命」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
あらかじめ決められたレールの上を、ただ走らされるだけの人生でしょうか。
それとも、当たるも八卦、外れるも八卦といった、気まぐれな予言でしょうか。
私たちはよく「占い」や「命理」と聞くと、自分が決めつけられるような息苦しさを感じます。
でも、本来それは「固定された未来」を押し付けるものではありません。
むしろそれは、あなたがこの世界をどう自由に旅するかを示す、人生の羅針盤。
どんな車に乗って、どんな道を選び、どんな景色を見たいのか。
その問いに自然に寄り添うための叡智です。
風水、四柱推命、奇門遁甲、形而上学といった抽象的な学びや、人生において大切な事柄を、現実のものに例えると、こんなふうに表せます。
人生を「車」に例えてみましょう。
まず、用語を一言で
- 命式:あなたの「車種と基本性能」
- 大運・流年運:変わり続ける「道路状況」
- 用神・喜神:最適な「燃料・エネルギー」
- 忌神:負担になる「粗悪燃料や過剰な荷物」
- 内的修養:定期的な「メンテナンス」
- 風水:外装カスタムや駐車場環境
- 奇門遁甲:最適なルートを選ぶ「ナビ」
- 価値観や理性:行く手を阻む「道路標識」「渋滞情報」「天気予報」「同乗者の声」
- 志や使命:本当の「目的地」
- 魂:本当の「目的地」を知る「ドライバー」
命式が示すこと
あなたは軽トラ? 大型トラック? スポーツカー? それともSUVや商用バン?
「あなたがこの世にどんな性質(機能)を持って生まれたのか」という、終生変わることのない本質を表すのが命式です。
大運・流年運が示すこと
人生は平坦な道ばかりではなく、山あり谷あり、動的に変化します。
それが年運や流年運に該当します。
ある10年間は補正された高速道路を楽に進めるかもしれないし、その後の10年間は渋滞が頻発する都心の道路かもしれません。
たとえスポーツカーで生まれても、レース場ではなく渋滞に巻き込まれ続ける狭い道路を走らされてばかりいれば、いつまでも本領を発揮できません。
一方、軽トラックで生まれて、信号も渋滞もない道をスムーズに進めるなら、たくさんの荷物を運ぶことが出来て、軽トラックの本質をいかんなく発揮できるのです。
これがわかるのが、大運(10年周期の運気)や流年運(1年周期の運気)です。(月運や日運もありますが、ここでは省略します)
風水が示すこと
風水は、そんな車の「外装カスタム」と考えるとわかりやすいでしょう。
もちろん、車を置く駐車場や保管場所の環境も風水の領域です。
雨が多い道路でも撥水加工がされていて、高性能ワイパーがあれば視界は安全に保たれます。
日差しの強い場所でも、屋根付きの駐車場なら色あせることなく、美しさを保てます。
風水とは、そんなふうに環境によって生まれる影響を、どう整え、活かすかを教えてくれる智慧です。
内的修養(努力)が示すこと
車は長く乗ればメンテナンスが必要になります。
人もまた、日々の生活や感情の積み重ねの中で、心身の調整が欠かせませんよね。
この内部整備こそが、肉体的・機能的・基礎性能の保守にあたります。
エンジンオイルの交換や車内清掃は、人生に置き換えてみると、悪習慣の改善、食生活の見直し、体調管理といった「内側からの調整」と同じです。
こうしたメンテナンスこそが、自分らしさを発揮するための、パフォーマンスを維持する鍵です。
用神・喜神が示すこと
車が走るには、エネルギー=燃料が必要です。
それが命式でいう用神や喜神の役割です。
燃料が切れれば、どれだけ性能の良い車でも動きません。
人間も、氣が枯れれば動きたくても動けなくなります。
用神・喜神とは、自分の命がスムーズに通るために必要な五行の要素です。
自分が心から喜び、満たされることを自分にしてあげる(「良い燃料(五行)」を補給する)ことで
あなたの車はまた元気に走り出します。
忌神が示すこと
車が走るためには、先に述べた用神や喜神という「燃料」が必要ですが、
粗悪な燃料を使ったり、過剰な荷物を積み込んだりすると、本来の車の性能は十分に発揮できなくなってしまいます。
この「粗悪な燃料」や「過剰な荷物」に当たるものが、命理でいう忌神です。
忌神は、命のバランスを崩したり、人生を進めるうえで余計な苦労やトラブルを招きかねない要素として立ちはだかります。
ここで、「忌神は絶対に避けるべきものなのか?」という疑問が出てくるかもしれません。
基本的には避けたい要素ではありますが、誰にでも必ず存在するものであり、人生における試練や成長の種として立ちはだかってくる重要な存在でもあります。
忌神については、また別の記事でじっくりお話ししていきますね。
奇門遁甲が示すこと
奇門遁甲は「ナビゲーションシステム」と考えられます。
「どのルートを選ぶか」「どのタイミングで進むか」「どの道が目的を最大化するか」をガイドする術策です。
どんな車種でも、どんな道であっても、良いナビがあれば最適なタイミングやルートを選び、自然と意図した流れに乗ることができます。
使命や志とは?
車には目的地が必要です。
それが「志」や「使命」と呼ばれるものです。
多くの人は人生の途中で迷い、目的が分からずに生きることもありますよね。
なぜそんなことが起こるのか?
それは「ドライバーの声」を聴ける人がとても少ないからです。
意識や魂とは?
あなたの車を運転しているのは、ドライバーである感情や心を司る、魂という目に見えない領域です。
自分の魂の声を聴けない人は、車を走らせる「本当の目的地」を定めることができません。
あなたは、あなたのドライバーの声を聴けていますか?
価値観や理性が示すこと
魂はいつもあなたに願いや求めを伝えていますが、その声を掬い取ってあげられている人はどのくらいいるでしょうか。
社会のルール(道路標識)、体調不良や疲労(スピードメーターの不調)、周囲の声(同乗者の助言)、社会の空気(渋滞情報や天気予報)などにかき消されていませんか?
魂の欲望や衝動は本来、自由なものです(人を傷つけたり、奪うことを除いて)
これらはときに、「魂の進みたい道」を見えにくくしてしまいます。
同じ車種でも違う人生になるのはなぜか
人生観や世界観の違い
たとえ同じ車種でも、運転の仕方や選ぶ道で結果は変わります。
ウインカーを早めに出すか? 譲り合いが出来るか? 景色の良い道を選ぶのか? または最短ルートを行くのか。
こうした運転マナー(道徳・哲学)やルート選択の思想(人生観・世界観)は、個人のあり方や人生を大きく左右します。
たとえば、同じ日に同じ時間に生まれた双子であっても、まったく同じ人生を歩むことはありません。
なぜなら、「人生の乗り方」そのものは命式という設計図だけでなく、
信念のあり方、体験の解釈、選択の積み重ねに大きく依存しているからです。
信念の違い
「どんな状況でも絶対にあの場所に行く」という強い決意。
これは、悪天候でも遠方の目的地に向かう覚悟に似ています。
人生における「信念」や「意志」として現れます。
家庭環境の違い
教習所や親から教わった最初の運転のクセ、基本の乗り方。
これは、家庭環境や原初の体験として、あなたの人生観に深く根づいています。
たとえ同じエンジン(命式)を持っていても、どんな地図を与えられ、どんな言葉をかけられ、どんな景色を最初に見たかによって、人は異なる「走り方」を身につけるのです。
ドライバーが楽しく目的地を目指すために
これらはすべて、ドライバーの内側にある「ソフトウェア」のようなものです。
ナビや標識ではなく、あなた自身がどう動くかを決める意志の層です。
もしドライバーの声が聞こえにくくなっているなら、その内面のソフトウェア(理性や価値観で凝り固まった意識)を
クリーンアップして、バージョンアップ(自己統合、内省)することが大切です。
自己統合や内省については、今後の記事で詳しくお伝えしていきますね。
魂が地上を生きるために、肉体がある
そして、魂がこの地上で旅をするために、物質としての「車」=肉体が必要です。
風が体を抜けていく爽快さ、陽の光の温かさ、大地に身をゆだねる心地よさ。体験を通して感覚を味わい、この地球を自由に謳歌するために、そして、魂の目的を果たすために、あなたは「行動する」ための肉体と共に生きています。
「行きたい」と願うだけでは、目的地には着けません。
車を動かし、ハンドルを握るという実際の行動をすることで、目的地にたどり着くことが出来ます。
この行動するということこそが、この三次元の地球において、「現実を動かす」「運命を切り開く」もっとも本質的な力です。
もしもあなたが、人生において、思い悩んで実際の行動に移せていないことがあるとすれば、それは、肉体と魂の声がかみ合っていないという、少しもったいないサインかもしれません。
でも大丈夫。
あなたの車は、あなたの魂とともに、今からでも動き出せます。
おわりに
あなたは、どんな車に乗って生まれてきたのでしょう。
そして、その車でどこへ向かおうとしていますか。
スピードを出して駆け抜けたいのか、景色を楽しみながらゆっくり走りたいのか。
あなたの車の声、あなたの魂の声を、ちゃんと聴けていますか?
以上のように、命式は「あなたの本質」を読み解くものであって、「人生を決めつけるもの」ではありません。
この先、命式の読み解き方、風水や奇門遁甲の活かし方、魂の哲学や具体的な実践法まで、さまざまな「旅のヒント」をお届けしていきます。
自分という車の本当の姿を知りたい人へ。
あなたの旅がもっと自由で、もっと喜びにあふれるものになりますように。