はじめに
あなたは、軽トラックでしょうか? スポーツカーでしょうか?
あるいは、小回りの利くコンパクトカーか、遠距離に強いRV車かもしれません。
四柱推命では、生まれたときの“時空のリズム”をもとに、命式という「地図」が描かれます。
でもそれは、人生を決めつけるものではありません。
人生の行き先は、あなた自身が決めるもの。
命式は、その旅路に寄り添う「羅針盤」や「旅のしおり」のようなものです。
ここで大切なのは、車種=命式による”優劣”というものは存在しないということ。
軽トラは、重い荷物を積みながら、狭い道もすいすい進むことができる。
スポーツカーは、どの車よりも速く、風を切って走ることができる。
車種の違いは、ただ「魂がこの人生で達成したい目的」に応じた選択にすぎません。
だからこそ、命式を知ることは、自分自身を深く知り尊ぶことでもあります。
命式とは「あなたの仕様書」
命式とは、あなたが生まれた瞬間の「宇宙の星の配置」をもとに構成された、個人固有の取扱説明書のようなものです。それは、あなたという車の「車種」「性能」「クセ」「推進力」など、あらゆる基本情報を内包しています。
四柱推命では、命式は以下の4つの柱で構成されます:
年柱(ねんちゅう)
月柱(げっちゅう)
日柱(にっちゅう)
時柱(じちゅう)
これらを合わせて「四柱」と呼び、さらにそれぞれに天干(てんかん)と地支(ちし)という二重の構造があり、合計8文字(=八字)で表されます。
この中でも特に重要なのが、日柱の「日主(にっしゅ)」であり、あなたという本質そのものを表しています。
あなたの「本質」はどんなタイプ? ― 日主の見かた
日主は、十干(じっかん)と呼ばれる10種類のエネルギーのうち、ひとつが割り当てられます。
これは自然界にある五行(木・火・土・金・水)と陰陽の性質を掛け合わせたもの。
たとえば:
甲(こう・きのえ)= 大木のように、しっかり地に根を張る誠実なエネルギー
丙(へい・ひのえ)= 太陽のように、熱と光を放ち、周囲を照らすエネルギー
庚(こう・かのえ)= 刀のようなに、鋭さと突破力、方向性を持ったエネルギー
癸(き・みずのと)= 霧雨のように柔らかく、静かに染み渡るエネルギー
これらは「性格診断」ではありません。
あくまでどんな質を持っているかという傾向の話です。
たとえば、「山道に強い車」「スピードに乗りやすい車」など、車種ごとの特徴と同じ。
どう走るかを決めるのは、あなた自身です。
天干と地支 ― 表に見えるものと、内に秘めた資質
命式の柱は、それぞれ上段「天干(てんかん)」と下段「地支(ちし)」の組み合わせからなります。
- 天干は、外から見えやすい個性やふるまい
- 地支は、その奥にある感情や深層的な資質
たとえば、天干に「丙」(太陽)が出ている人は、人からは明るく社交的に見えるかもしれません。
けれども、その天干の丙が座す地支に「癸」(雨水・霧)があれば、内面は繊細で静かな心の持ち主かもしれません。
これはまるで、車のボディカラーと、エンジン内部の違いのようなもの。
「外に与える印象」と「内面的な本質」が必ずしも一致しないのが人間の多様性であり、命式の面白さでもあります。
命式は“制限”ではなく、可能性の地図
ときどき「私の命式、いいですか?悪いですか?」と聞かれることがあります。
けれど、それは「四輪駆動と二輪駆動、どっちが良いですか?」という質問と似ています。
舗装道路では二輪が軽快に進みますし、ぬかるんだ山道では四輪の真価が光ります。
命式に優劣はなく、ただ「どんな場所で、どう走るのが得意か」という特性があるだけ。
その活かし方を知るだけで、
「自分はなぜこの道でつまずいたのか」
「どうすればもっと自然に進めるか」
そんなヒントが見つかるのです。
おわりに
「命式に、悪いものが書かれてたら怖い」
「わたしの人生が全部決められてたら、苦しい」
そんなふうに感じる必要はありません。
命式はあくまで、「こんなルートなら燃費がよくなるよ」とか、「ここは坂道だからギアを下げてね」と教えてくれる
旅の羅針盤。
「羅針盤」はあっても、進む道を決めて舵を切るのはあなた。
それを忘れずに、自分らしい旅を自由に選んでください。
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